出勤

娘の部屋に昼ご飯と手紙を書いておいてきました。これは夏休み中、毎日してきた日課。ひとつ違うのは、いつもは部屋ではなくリビングにおいていたこと。そんな些細なことが、こんなにも悲しいなんて。

パートに出ている間は、忘れられる唯一の時間。
私がいない方がいいんだと思う。そうは思っていても仕事が終わるととたんに心配で早足で家路に向かう。
帰ったら、もしかしたらいつもの笑顔で「おかえり〜」と言ってくれるんじゃないかと期待してしまう。
そんな事ありえないのに、今日もきっと急いでしまうんだろうと思う。

あの子の笑顔が消えるたびに誰かのせいにしたくなる。可愛いあの子をこんなふうにしたのは・・・って。



仕事が終わり、娘が壊したメガネを治しにメガネ屋に行った。不自然にひん曲がっている為、折れてしまうかもしれないと言われ、それでも構わないので応急処置的にレンズだけでもはめて欲しいと言って、早く帰りたい気持ちを抑えて30分他の店内をうろつき、戻ったらやはり折れていた。
度も弱いしフレームも気に入ってなかったのでお直しは頼まなかった。

家に着いた。
緊張してドアを開けて家に入った。
娘の部屋のドアは開いていた。少しホッとしたが、用意していった食事に手を付けていなかった。
喉まででかけた言葉を飲み込んで、何事もなかったように、ただいまとだけ言ってリビングへ。また泣きたくなった。我慢して明日だす粗大ごみの用意をしたり家事をして一段落していたら、「お腹すいた〜」と言って娘がリビングにきた。
うれしくて、また泣きそうになった。
すぐ用意して一緒に食べました。
こんなことがとても幸せです。明日、一緒にメガネを作りに行く事になりました。
夫が帰宅して、二人で粗大ごみを出しに行きながら、ご飯を食べた事を報告しつつ、そっとしておいてほしいと話した。
家に戻ったら、娘は自分の部屋に戻っていたけど、もう充分だと思った。ありがとう。